ドーミーインめぐり

ドーミーインの大浴場
石のこだわり①
〜大工さんチームと石選び〜

ドーミーインは、「ビジネスホテル」です。

約30年前にスタートした時から、
ビジネスマンである私達にとって「あったらいいな」を追求し続けています。

一人暮らしだったDOMINISTAが、布団に寝転がりながら照明が消せるように
蛍光灯に長いひもをつけていた経験から、
ベッドの枕元で、照明スイッチや携帯の充電ができるようにしたり。

お酒を呑んで帰って、ちょっと小腹が空いたときのために、
あっさり味の夜鳴きそばをご提供したり。

出張で忙しい旅先でも、旅の気分を味わっていただきたいから、朝食にはご当地のメニューを入れたり。

そして、仕事の疲れをゆっくり癒やしていただけるように、
客室数を減らしてでも、手足が伸ばせる大浴場を設え、
全国を飛び回るビジネスマンに日本の「湯めぐり」を楽しんでいただけるように、
可能な限り天然温泉にこだわったり。

こんなささいなこだわり、たくさんあるんです。
このブログでは、折に触れてご紹介していますが、
今日から4日間、ご好評いただいているドーミーインの大浴場、その「つくり方」を、少しご紹介します。

〜プロローグ:通称“大工さんチーム”と石選び〜

ここは2018年7月にオープンした
「天然温泉 玉藻の湯 ドーミーイン高松中央公園前」の最上階にある大浴場。

男湯、女湯ともに露天風呂があり、
ゴツゴツした岩の間から湯が流れ落ちる野趣あふれるつくりです。

このお風呂を作ったのは、
社内では通称“大工さんチーム”と呼ばれる、
ドーミーインの風呂づくりの少数精鋭プロフェッショナル集団。ドーミーインの建設現場には、必ずこのメンバーが集結します。

さて、
高松中央公園前のオープンから遡ること3ヶ月ほど前。
建物内はまだまだ完成とはほど遠い状態です。

大浴場にあるのは、まだ湯船と洗い場だけ。

この頃、大工さんチームは、
高松市にある、とある石材会社さんにいました。

高松は、質が良い石の産地として全国でも有数の地域。

「高松のお風呂は、石もご当地メニューだね(笑)」と語るのは、
大工さんチームの棟梁、マツさんです。

この岩の山から、今度の大浴場に使う石を選び出します。
その数、なんと200個!!!

「その中でも一番大切なのは、温泉旅情を感じさせる湯口づくり。 
この湯口を演出する石を見出すことが、石選び最初の仕事です」

湯口の上に当たる部分を“頭石”、
その下でお湯を受けて流すのが“受け石”、
そして頭石と受け石を支える周辺の石を“ゴロタ”と呼び、これが基本1セット。
男湯、女湯それぞれの内湯と露天風呂の湯口の分になるので、
合計4セットの湯口石を、石の山を登ったり降りたりしながら、探し出します。

↑「男受け」と書いたのは、男性へのウケ狙い、ではなく、男性大浴場の湯口の「受け」部分という意味です。念のため…。

関東で造園業を営むニッタさん。
マツ棟梁が全幅の信頼を置く、石組みのプロフェッショナル。
サラリーマンならとっくにリタイヤしている年齢にも関わらず、ものすごい剛力です。
「俺、これしかできないから。 
でもさ、こうやって全国に呼んでもらえるのは、そりゃ職人として嬉しいですよ。 
もちろん力は衰えてきてるけど、 
そこは道具とかを工夫して使ってね。なんとかしますよ。 
だってマツさん、人使い荒いもん(笑)」

「あ〜! この石は “ 受け ” にいいなぁ! 
マツさん、どうこれ!?」

「こうやって組むとさ、いい感じの流れになりそうじゃない?」
配管と湯の流れをイメージしながら、
受石と頭石の候補を突き合わせ。
石どうしのお見合い合戦です。
(もちろん1個が数十キロある石なので、大工さんチームや採石場の方は全員汗だくです)

石材会社の方にも風情や思いを説明しながら、
“ドーミーインの大浴場”の仕上がりイメージを共有していきます。
作る側として全国にDOMINISTAを拡げていく、まさに伝道師!

ニッタさんと石の組み合わせを見ながら、
イメージを作り上げていくのは、
内装のデザイナーでもある、カワさん。

「この隙間に、石を噛ませて少し浮かせれば、なんかいい感じになりそうっすね?」

すでに置く場所も決まりました。
サウナ上がってから入る水風呂、とのこと。
今回は、内湯、露天風呂に加えて、水風呂もしっかり岩の風情を作り出そうという目論見のようです。
楽しみですね。

こちらは“景石”。
大浴場の野趣を演出するために使います。

こうして2時間ほどかけてメインの石を数十点選び出しました。あとは石材会社の方と打合せしながら、
大、中、小のサイズごとに数を依頼します。

iPadの画面にはこんな感じの設計図が表示されていました。

さて石選びを終えた大工さんチーム、
この後は、採石場や石材加工会社さんへ参ります。
続きは明日…
【ドーミーインの大浴場 石のこだわり②】
https://blog.doministyle.net/?p=213

【ドーミーインの大浴場 石のこだわり③】
https://blog.doministyle.net/?p=215

【ドーミーインの大浴場 石のこだわり④】
https://blog.doministyle.net/?p=217

著者名:

DOMINISTYLEの活動を楽しんでいただくために、様々な活動を行っています。サウナビギナーで、最近、ウィスキングに興味津々。