ささいなこだわり

1cmのカベ

ドーミーインの大浴場をつくる“大工さんチーム”。
いろんなこだわりが詰まったお風呂ですが、
今日もその中からひとつ、棟梁のマツさんが教えてくださいました。

「オーバーフローというのがあります。
 オーバーな風呂、じゃないですよ(笑)
 内湯や露天風呂の浴槽で、たいていはお客様が入る側に、それはあります。 簡単にいうと、湯が溢れ出る部分です。
 これまたどこの大浴場にもある作りのひとつで、
 湯船の一辺(フチ)の上部だけ、ほかの部分よりも少し低くなっていて、
 お湯が溢れるときは、ここから流れ出ていきます。

 ドーミーインがこだわっているのは、その高さというか、
 他の辺より、どれだけギリギリ低くするかです。

 5mmを狙いつつ、ほぼ1cm。

 そして、お風呂の湯量は、つねにこのオーバーフローの高さになるように設定しています。
 お風呂って、
 浴槽いっぱい、水面ギリギリに湯が張ってある状態が美しいじゃないですか。
 入った瞬間の“ざっぱ〜〜ん”というのも、日本のお風呂っぽいし、家じゃできないし。
 だから、オーバーフローはできるだけほかのフチの高さに近づけたい。
 だけど、ギリギリを狙いすぎて高さの差がなくなると、
 周りのフチすべてからお湯が溢れ出てしまう。
 そうすると衛生的にもよくないし、
 見た目にも美しくなくなってしまいますからね。
 露天風呂など、いろんな石を組み合わせてフチを作る場合は、
 この高さの調節って、結構難しいんです。
 まさに1cmの、ドーミーイン館内で一番低いカベ、です」


大浴場に行って、
浴槽の壁面がいっぱい見えているとき、
“お湯が少ない…”と思うこと、ありませんか?

DOMINISTAは、いろんな思いをお湯に込めました。
そのココロは、お湯も思いも、溢れ出るくらいがちょうどいい…。

失礼しました〜。

著者名:

DOMINISTYLEの活動を楽しんでいただくために、様々な活動を行っています。サウナビギナーで、最近、ウィスキングに興味津々。