サウナ部

サウナ✕睡眠=?

2021年の暮、
日本サウナ学会の代表理事である、
加藤さんから、
「サウナが睡眠に与える効果を研究する中で、
 被験者様を募集してデータ計測をしたいと考えています。
 サウナと睡眠といえば…自分も大好きなドーミーインさんで、と思いまして。」
とご連絡いただきました。

日本サウナ学会 代表理事
加藤 容崇(かとう やすたか)氏

慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット特任助教・医師、北斗病院・医師、日本サウナ学会 代表理事。専門は癌の遺伝子検査・研究。「敵は強い方が燃える」というモットーのもと癌の中で最凶の「膵臓癌」を相手に現在も戦い続けている。人間が健康で幸せに生きるためには、健康習慣による「予防」が最高の手段だと言うことに気づきサウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。
著書に
「医者が教える『サウナの教科書』~ビジネスエリートはなぜ脳と体をととのえるのか?~」がある。

日本サウナ学会
https://www.ja-sauna.jp/

癌ゲノム医療を専門とする医師である加藤さんのことは、
DOMINISTYLE サウナ部顧問の本田さんからもお話は伺っていましたので、
唐突というよりも、
お声がけいただいたことがまず有り難く、
とにかくお話をお聞かせいただきたいとのことで、
お顔合わせをすることになりました。

お越しいただいたのは、
加藤先生(お会いしたからには、皆さまと同じように、これからは加藤先生と呼ばせてください!)、
そして、サウナと睡眠の効果検証チームとして、
睡眠に特化した企業への睡眠コンサルティングや医学的根拠がある睡眠情報の発信などを行っている株式会社ブレインスリープ様、
データ分析技術を強みとした、睡眠に関する検証設計や解析を行う東日本電信電話株式会社(NTT東日本)様。
加藤先生のお声がけによって集結した方々です。

まず加藤先生の考え、思いをお聞かせいただきました。

上段中央が加藤先生。





未病に対する思い


私達医師は、病気になってはじめて患者さまと深く関わることがほとんどで、
病気を患う前に出会うことはほとんどありません。
医師である自分は、もちろん患者さまの病気を治すことが役目です。
だけど、投薬に頼る今の日本を含む世界の医療は、
費用の面だけみても、
個人だけではなく、国の財政に大きな負担になっています。
もちろん、お金のことだけではないのですが、
そもそも病気になりにくい健康なカラダを作ることのほうが大切なんだと思うんです。
当たり前ですけど。
できれば、病院に来ることなく、
健康で一生を生きていただきたいと考えた時に、
自分に何ができるかを頭のどこかでずっと考えていました。
そんな時に、“ととのう”に出会ったんです。

サウナってもともと好きでしたが、
水風呂には入らずシャワーで汗を流す入り方しか知りませんでした。
ところが、サウナーと呼ばれる方からサウナ指南をしてもらう機会があり、
初めて“ととのう”という経験をしたんです。

“なんだこれ…?”でした。

その時は理由はわからなかったのですが、
医学的に特殊な状態になっていると感じ、
なんだか怪しくて得体の知れない“ととのう”という現象を、
医学的、脳科学的に研究してみようと考えるようになりました。

しかしサウナについて調べていくと、
多くの真偽の分からない怪しい情報のオンパレードで
確かな情報を求めて学術論文を読み漁りました。
そこでサウナが予防医療になるということに気づきました。

フィンランドのサウナから学ぶこと


いざ日本でサウナの効果を検証しようとしても、
まず何もデータがありません。
そこで、サウナの本場と呼ばれるフィンランドに目を向けたところ、
国が数十年かけて収集分析している研究の中から、
サウナには次のような病気を予防するというデータに
たどり着いたんです。

1)心筋梗塞リスク 50%減少
2)認知症リスク 60%減少
3)精神科疾患リスク 78%減少

サウナ習慣とこれらの疾患のリスク低減には相関があるというエビデンスです。
しかし私がサウナの研究を続けている中でわかってきていることは、サウナに正しく入ることで、
ある脳科学的な変化が起こって、
睡眠の質が確実に上がる、ということなんです。
その質の良い睡眠が、心筋梗塞や認知症、精神疾患予防にどう作用しているのか、
サウナとの因果関係を証明するにはまだまだこれからの研究になりますが、
睡眠の重要さは周知のことですよね。

最終目的は病院に患者さまが来なくなること。


すべての病気を根絶することは不可能ですが、
病気の予防にもっともっと積極的に取り組めば、
病院に行くことも、
薬に頼ることもなくなる方が
きっとたくさんいらっしゃると思います。
我慢する、嫌いなことも取り組む…そんなストイックなものじゃなく、
あくまで毎日を楽しく、気持ちよく過ごすことで

自然と健康につながるなら
こんなに嬉しいことはありません。
だから、サウナと睡眠の研究をしながら、
同時に「楽しくサウナに入る」ために、
エンターテイメントの領域も含めて、
いろんなことを考えている真っ最中です。





私達にとって、加藤先生の考えはまさに共感するところ。
ぜひ、ドーミーインが何かの役に立つのであれば、ということで、
サウナ✕睡眠の検証実験をすることになったのです。

検証実験のプロトコルは、
日頃から睡眠の検証を手掛けているブレインスリープ様とNTT東日本様が考え、
サウナの知見は加藤先生からインプットいただきました。

具体的な内容としては、
加藤先生の検証チームとDOMINISTYLEの社内サウナ部員の中から10名を選出し、
全員が2週続けて4泊5日の実験に参加、データを取るというもの。

滞在中、
各メンバーは入浴時も含めて終日心電図を装着し、
睡眠時に脳波計と活動量計を装着。
そして1週目はサウナに入らず入浴のみ、
2週目にはサウナ3セットを加えて、
1週目と2週目の睡眠時の脳波の違いを検証します。
(睡眠データを正しく計測するために、滞在中はお酒ナシ)

そして3月から4月にかけて、
データのばらつきが出ないように、
全員野乃浅草に集結し、
検証を行いました。
現在、ブレインスリープ様とNTT東日本様、加藤先生のチームで分析中で、
近々、その結果を公表できるとのことです。


被験者に心電図を取り付ける加藤先生。
「性別や体格、体調によって、最適なサウナの入り方って少しずつ違うと思うんです。それを、こういう検証を通じて「自分にあったサウナの入り方」を見つけることができればと思っています。楽しくサウナに入って、健康になり、病院に行くことがなくなる…そんな世の中になればいいですね。」

加藤先生曰く、
野乃浅草は天然温泉だし、入浴だけでも睡眠効果もありそうだから、
サウナの効果は出るかなぁ」なんて笑いながら仰ってました。

そしてこう付け加えてくださいました。

「考えてみてください。
 ドーミーインのお客さまがサウナに入って、
 出張のたびに気持ちよく、
 そして健康なカラダづくりにつながっているとすると、
 すごい事業をされていると思いませんか?」と。

サウナ✕睡眠=?


さてどんな結果になることでしょうか。
楽しみにしていてください。

株式会社ブレインスリープ様

東日本電信電話株式会社様
ビジネスイノベーション本部 スリープテック事業チーム




著者名:

DOMINISTYLEの活動を楽しんでいただくために、様々な活動を行っています。サウナビギナーで、最近、ウィスキングに興味津々。