ドーミーインめぐり

【実録】ドーミーいんこは見た。
〜開業前のドーミーイン福井(番外編)〜

 これは〝開業翌日〟の話である。

 朝食の営業を終えたレストランに、たくさんの人たちが集まってきた。総支配人や施設支配人、本社から来たスタッフの顔もある。そのひとりが、いったい何事だ?と言う顔をしているドーミーいんこに耳打ちした。

「ゼネコンさんや設備屋さんとのミーティングですよ。ちょっとした不具合なども報告し合って、すぐ対処してもらうんです。大勢の人が泊まって、全館のエアコンが作動すると、どうしても建物自体が微妙に歪むって言うか。まったく何もないということはないんですよ」

 ドーミーいんこは驚いた。開業した。万々歳。そうじゃないんだなと思った。聞けば、客室のドアで、開けて手を離すと閉まるけど、きちんと施錠されないところがあったとか。他にも、レストランのダウンライトをおいしそうに見える色味に変えたい箇所があったり、夜の駐車場で照明が暗く感じるところがあったと言う。

 ここから、ホントの〝番外編〟。
 ドーミーイン福井を後にしたドーミーいんこは、時計とにらめっこしていた。福井に来る前から行きたいと思っていたところがあったからだ。 その場所とは鯖江。日本最大のメガネ生産地で、国内シェア95%以上。職人技もデザインも世界屈指の呼び声高い街だ。 ドーミーいんこは地図を見た。近い。電車ですぐ。これから行っても、今日中に東京に戻れる。 確認したドーミーいんこは鯖江へと向かった。 その時、ドーミーいんこの胸に去来したのは、こんなことだった。 ドーミーインでご当地メニューを提供するようになったのは、忙しくて食べ歩く時間もない出張ビジネスマンに地元のおいしさを味わっていただきたいから。もしかすると、地元の産業や文化に触れる時間もない人たちに向けて、ドーミーインはいずれ、何かやってくれるんじゃないだろうか…。
 おしまい。

●ドーミーイン福井についてはこちら
https://www.hotespa.net/hotels/fukui/?login=0

著者名:

全国の共立ホテルチェーンにいる、自分の店舗が大好き!で地元愛に溢れるスタッフ。そして社外から共立ホテルズを応援してくださるFANの方々。そんなDOMINISTAが特派員として活動中〜。